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2009.03.06

君のそばにいるよ

海堂尊さん(医師、作家)と、筒井康隆さん(作家、俳優)

の対談記事が読売新聞2009/3/5に掲載されている。 

 

以前の玉ログの記事「海+堂+尊=愛」(2008/6/3~)でも、

海堂尊さんの事は書いているが、

私は海堂尊さんの小説が大好きである。

 

語りが軽快で、

展開の運びが面白くてカッコイイのは言うまでもないのだが、

本というメディアを通して、

読んだ人々を勇気付けようとしてくれているから。

好きなのだ。

 

「生きるって楽しいんだよ」

「大丈夫だよ」

「心細い時は本を開いてごらん。ボクは、いつでも君のそばにいるよ」

このメッセージが随所にあるのを感じる。

更に、

目の病気を抱える人間の不安や心の苦しみを、

物語の中心に置いていることが、

その奥深さの真髄となっている。

 

 

対談で、

本について、

海堂尊さんは次のように語っている。

「本というのは、実に優しい友達で、自分が必要とする時に、いつでも来てくれる」

その表現通り、

海堂尊さんの小説は優しさ、愛に満ちている。

 

 

私には、緑内障を患って20代で全盲となってしまった友人がいる。

彼が次のように言っていたことが思い出された。

「最先端医療というは、生死に関する病気が優先となって研究されているんだ。目が見えなくても死にはしないからね。目の疾病の研究は後回しにされちゃうんだよね」

そう言って、彼は悲しそうに笑った。

 

私たちは、五感を通じて外部の情報を得ているが、

情報の90%は視覚に頼っているのだ。

従って視覚を失うということは、

社会的活動、行動範囲は、

想像を絶するほど制限されてしまう。

杖があっても、

盲導犬がいてくれたとしても、

点字ブロックがあったとしても、

降りたことの無い駅にはふらりと降りられないし、

知らない街には1人では行けない。

その沈んだ気持ちを、

青空を見て気分を晴らすことさえできないのである。

 

もっと、目の病気の根治に向けて研究費用を投じるべきだと、

医学に素人の私でさえ思う。

 

海堂尊さんは、

本というメディアが持つ無限の可能性を信じて、

ご自身の医の倫理観からか、

その重要性を訴えているようにも思う。

 

海堂尊さんが文壇に彗星の如くに現れたのは、

目の病気に最先端医療を施そうと、

その口火を切ってくれたからなのかもしれない。

 

 

きっと、奇跡は起きる。

 

 

「ボンちゃん。目の見えないゴリラに、ゴリラはみんな優しい?」

 

 

 

 

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