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2011.05.29

にょろにょろぺろぺろ

街を歩いていたらショーウィンドウの中に、

にょろにょろした生きものがいた。

ショーウィンドウの中には石灯籠が一つ置いてあって、

3匹が絡まり合うようにしてじっとしていた。

思わず見入っていたら、

一匹が徐に私の目の前にやって来たのである。

赤黒いような舌をぺろぺろしながら。

そのぺろが早くてよくは見えなかったのだが、

舌先が二つに分かれているようで、

その先端が器用にペロリンとしなやかに動いていたように見えた。

ぺろぺろぺろぺろするにょろにょろに見つめられたことなど、

生まれて初めてのことだったから、

ガラスがあると知りながらもドキドキしてしまった。

ぺろぺろを終えたにょろにょろは、

定位置と思われる石灯籠の上に身を寄せ、

それ以降は置物のように動かなくなった。

あの時、

どう考えても私に何か語りかけているように思えたのだが、

ハリー・ポッターのようにヘビ語が理解できない私には、

想像することしかできなかった。

念のためにハリー・ポッターについて少し説明しておこう。

ハリー・ポッターはヘビ語が話せてヘビと普通に会話ができる。

そのことをハリー自身が知ったのは動物園を訪れた時だった。

ハリーがじっとヘビを見つめていたら、

ヘビは目を覚まし、

ハリーに向かってウィンクしてきたのだ。

ハリーはビックリ仰天したが、

気づけばヘビとの会話は進み、

動物園生まれであるため祖国のブラジルを知らないことや、

ガラスを叩く観客が多くてイライラする現実に辟易していることなど、

ヘビの辛い胸の内を聞き、

ハリーはヘビにひどく同情した。

と、その瞬間、

ハリーは意図せずして思いの強さでガラスを消してしまった。

ヘビはハリーに感謝して動物園から逃げ出し、

その後は大騒ぎ・・・というヘビの大事件があったのである。

 

話をぺろぺろのにょろにょろに戻そう。

そのショーウィンドウの横には、

まむし漢方薬、まむし料理という大きな看板があった。

きっと、あのにょろにょろも…。

残念ながら私には、

にょろにょろがぺろぺろで何を訴えていたのか、

明確には分からなかったが、

私に興味を抱いていたことは確かだった。

というのは、

その後、にょろにょろに気づき足を止めて見入る人々がいたが、

にょろにょろは石灯籠の上に寝そべったまま、

まるで銅像にでもなったかのように動かなかったからなのである。

たぶん、「ここは狭いし石灯籠も飽きたし、お客が来る前に、脱出したいんだけど、なんとかならないかなーぺろぺろ」

と、そんなことを訴えていたように思えた。

私がハリーと同じ力を持っていたら、

逃がしてあげられたかもしれない…。

そう思わず思ってしまったほど、

にょろにょろのぺろぺろは魅力的だったのだ。

Mamushi1

Mamushi2

Mamushi3

「ボンちゃん、ゴリラはにょろにょろと友達になれる?」

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