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2011.05.20

無いのに、ある世界。

ニュースによれば、

被災地応援活動の一環として、

避難所での映画上映会が実施されることが決まった。

「男はつらいよ」等、

東北地方が舞台となった映画も上映する計画だという。

 

架空の世界に棲む人々、

(例えば「男はつらいよ」の寅さんなど)の凄いところは、

架空の世界にしか存在していないと明確に理解していても、

現実の世界に生きる人々の心に存在してしまうことだと思う。

それはどこか思い出に似ているような気がするが、

思い出は実際に経験したことの記憶だから、

心には存在しやすい。

現実の世界に生きる我々は、

架空の世界に棲む人たち(想像上の人物)と経験を共にしていない。

それなのに、

その世界にふれた人の心には、

その想像上の人物が永遠に居続けるようになる。

そればかりか、

時に、彼らから勇気をもらって現実を生きる力までももらえる。

これは物凄く凄いことで、かなり摩訶不思議なことだと思うのだ。

 

無いのに、ある世界として、

まるで存在しているかのように思えるのは、

やはり人間が精神的存在だからなのだろう。

こうしたことを考えると、

復興の実現には精神の復興が先決と思われる。

現実的支援に加え、

音楽の力は絶大だし、

本、ドラマ、テレビ、落語や映画といった、

架空的支援というか想像的支援は、

大きな支えとなるに違いないと思う。

 

話を寅さんに戻そう。

寅さんの話で東北地方と言えば、

「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」(第四十一作)である。

唯一、寅さんの海外ロケ、ウィーンでのすったもんだ話。

と言ってもこの話は晩年の作品なので、あまりすったもんだしない。

ウィーンの街に佇む寅さんに会えて、

寅さんが「生き甲斐」を語る貴重なシーンもある。

その寅さんらしい答えが、

妙に深い所をついているように思えて、

「やっぱり寅さんは、いいなあ」と思うことになる。

 

知り合いの20代の多くは「男はつらいよ」を知らない。

「男はつらいよ」には、

人情がいかに人生を豊かにしてくれるものかといった考えに基づく、

人生哲学が散りばめられてある。

単なるすったもんだのドタバタ劇ではないことに、

回を重ねて観ていく内に、

きっと気づくことになるだろう、と思うのだよ。

 

(o≧▽゚)oニハッ 寅さん!

 

「ボンちゃん。ゴリラもゴリラ哲学がありそうだね」

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