« 『冬の風』 | トップページ | 諦められない人 page2   »

2011.07.31

諦められない人 page1

人生が巡り、

やっと出会えた…と思った人に会った時、

その相手は修道院に入ることを決めてしまっていた…。

まだ揺らいではいるようでも決断を変える様子はない。

お互いに強く惹かれあっているというのに。

 

なぜだか、そんなやり取りを想像してしまう。

もしもあなたがこの状況に置かれたとしたら、

この時、何を言い、どう接するだろうか…?

私なりに考えてみているのだが、

思いのピースが、いまひとつ絵にならない。 

これ、かなり手強いシチュエーションだと思うのである。

こんなことを考え出してしまうのは、

夏なのに秋風に吹かれているせいなのだろうか…。

 

今生でふたりが出会い、

一刻一刻過ぎゆくこの瞬間を、

共に過ごすことのできる時間は限られている、

それを共にできる幸運さを私は話すだろう。

夜空の花火が綺麗だと思えるのだって、

掛け替えのない人と見上げられるからだと話すだろう。

でも、相手は嬉しいというばかりで、

心の深部には届いていないよう。

掛けたい言葉も次第に飲み込むようになってきてしまい、

複雑になる思いを何とかシンプルにしようとしていた時、

相手が次のようなことを言ったとしたら……。 

 

「いつかまた会えるから、惹かれ合うものは必ずまた会えるから」

その言葉の深い意味が直ぐには理解できずに黙ったまま思う。

気付かされたのは、

相手が自分との関係性に終止符を打とうとしているということ。

容赦なく相手の言葉が続く。

「会えるのは直ぐにではないかもしれないけれど、1世紀とか2世紀先とか…。次に会える時には、別れの恐怖に押しつぶされず、愛し合うことのできる、強い心をもっていると思うから…」 

 

その時、どんな言葉をかけることができたら、

離れていってしまうことを覆すことができるのだろうか?

なんとしても諦められない人なのである、

その人だけは。

つづく

 

「ボンちゃん。ゴリラは、諦められない時、どう接する?」

|

« 『冬の風』 | トップページ | 諦められない人 page2   »