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2011.07.02

『乾いた涙の跡に』

「出会いは偶然、別れは必然」という言葉がある。

もしも人生にシナリオがあると考えるならば、

「出会いも必然、別れも必然」ということになる。

詩をつくってみた。

 

『乾いた涙の跡に』

 

乾いた涙 枯れた涙 見えない涙

消えない涙が思考の泉に注がれる

ある涙の乾いてゆく記憶

その涙の乾いていった記憶

消えない涙の記憶との対話がはじまった

 

一秒 一分 一時間 一日 一ヶ月 一年

二秒 二分 二時間 二日 二ヶ月 二年

三秒 三分 三時間 三日 三ヶ月 三年

四秒 四分 四時間 四日 四ヶ月 四年

五秒 五分 五時間 五日 五ヶ月 五年

六秒 六分 六時間 六日 六ヶ月 六年

七秒 七分 七時間 七日 七ヶ月 七年

八秒 八分 八時間 八日 八ヶ月 八年

九秒 九分 九時間 九日 九ヶ月 九年

十秒 十分 十時間 十日 十ヶ月 十年

十一秒 十一分 十一時間 十一日 十一ヶ月 十一年

 

月日が流れ 記憶に風が吹き始める

湿ったような 乾いたような 涙色の風

記憶との対話は終わる様子はない

 

十二秒 十二分 十二時間 十二日 十二ヶ月 十二年

十三秒 十三分 十三時間 十三日 十三ヶ月 十三年

十四秒 十四分 十四時間 十四日 十四ヶ月 十四年

十五秒 十五分 十五時間 十五日 十五ヶ月 十五年

思い出に生きるその人もまた 涙色の風に吹かれているのだろうか

十六秒 十六分 十六時間 十六日 十六ヶ月 十六年

十七秒 十七分 十七時間 十七日 十七ヶ月 十七年

十八秒 十八分 十八時間 十八日 十八ヶ月 十八年

十九秒 十九分 十九時間 十九日 十九ヶ月 十九年

二十秒 二十分 二十時間 二十日 二十ヶ月 二十年

 

遠く彼方の記憶を望遠鏡で覗いてみる

関係性は確かに途切れていることを確認

ふたりの思い出が増えることはないことを再確認

確認の記憶が対話の時間に加わる

不在であるその人が語ることはない

その人の不在に語りかける時間が増えていく

二十一秒 二十一分 二十一時間 二十一日 二十一ヶ月 二十一年

二十二秒 二十二分 二十二時間 二十二日 二十二ヶ月 二十二年

二十三秒 二十三分 二十三時間・・・・・・ 

語りかける時間が思い出の歴史を築きだした頃

二千十一年 六月 三十日 二十三時 十七分

乾いた涙の跡に 生ぬるい涙が満ちた

 

 

 

「ボンちゃん、ゴリラは記憶を涙で濡らすことある?」

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