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2011.09.11

弁の空白的現象

あの時、もう少し何か言えていたならば…こんなに後悔しなかっただろうに…でも…あの時は本当に言葉が出てこなかったし、何よりも言葉が思いつかなかったのだ…だからどうしょうもなかったのだよね…それでも…もうちょっと何か言えていたならなあ…。

 

と、そんな思いが降り注いでくるかのように、

思いが残って思い切れないことがあったりする。

思いは尽きないが、

次に挙げる言葉を目にしたら、

降り注ぐ思いが途切れ出して、

次第に青空が心に広がり出した。

 

 

「雄弁が役に立たないときにも、

  純な、

  無邪気な沈黙が、

  かえって相手を説得することがある。

  『冬の夜ばなし』 シェークスピア」

 

文豪の言葉というのは妙なる説得力がある。

「無邪気な沈黙」か…、

なるほどそう言われてみると、

いつわりや作為なくして語らない、

或いは、

語りたいのに胸がいっぱいで語れない、

そんな時は、

言語野に一時的なエアポケットが生じたような瞬間で、

滅多に起きない弁の空白的現象。

それはきっと、

「雄弁が役に立たないとき」に、

最も心情を伝えられる在り方でもあるのだろう。

 

 

「ボンちゃん。ゴリラは無邪気な沈黙王だね」

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