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2011.10.14

『はぐれ鳥』

今日もカラスが鳴いていた。

詩をつくってみた。

 

 

『はぐれ鳥』

 

もやもやとした現実に戸惑う

心の様子を狂いもなく喩えたような

押しつぶれた声音が今朝も聞こえてくる

電信柱を頼りに電線に止まる黒い鳥

尖った黒い口ばしをあけ

一瞬だけ口内の赤さを誇示するようにして鳴くその鳥の声は

カアーという高らかな声音とは異なる

得体の知り得ないものが邪魔をして

伝えたい思いを風にうまくのせることができない様子

納得のいく声が出せないことに戸惑い

はぐれ鳥になったのか

いつも一羽で鳴いている

それでも人生の相棒という存在への思慕の念は尽きず

力なく思いを風にのせてみているが

自分の魅力を強く誇示したいという思いが足りず

宙に放たれた思いは

弱々しく大地に着地していくよう

いつになっても返答はない

それでも己の運命を哀れむこともなく

その事実を承知尽くかのように

いまここにある現実に揺れている

儚い望みを光る漆黒の羽で覆い隠し

人生を共に歩める者からの便りはないものかと

いつまでも空に耳を澄ませているように見える

はぐれ鳥の強さを知る

 

 

「ボンちゃん。ゴリラは、コンプレックスから群れを離れることってある?」

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