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2011.10.12

『可哀相な風みたいに』

秋風に吹かれながら、

詩をつくってみた。

 

『可哀相な風みたい』

 

涙が記憶に遺した 後遺症は

いつになったら 癒えるのだろう

自分の看板 黙って引き下げ

他人の看板 愚かにも甘受し

自己を人ごみに 消した日々がある

自分と他人との 心の距離を

測ることに 心を砕き

おろおろがくがく 泣いた日々

その場の気配を 識別しては

人の心から 放たれる矢に

怖気て流され 笑顔を創り

絵になる関係 創造しようと

愚かなことだと 気づきもせずに

慄き気兼ねして 気色取る日々

移りゆくすべてに 心追いつかず

心は擦り剝け 砕けて屑になる

心の屑が 涙と混ざれば

深い戸惑いで 涙が泣きはじめる

日々が生んだ 白い化け物

白さが心を 真っ白に染めはじめる

白すぎる白が 白を武器に

白の恐怖で わたしを略奪する

竦みあがる自分の 居場所が追われゆき

縮み出す自分を 食い止める交戦

ぐらつく心を つんざきのめせれば

白さは遠ざかり 戦慄は鎮まるが

ある日ふたたび 白の化け物は舞い戻る

季節は巡りゆき 秋の歌聞く時

なぜだかいつでも 切なさに負けた

微妙な自分に 折り合いつかずに

戸惑うばかりの 自分に疲れ

不安な心を うとんじた日々

弱い心の うろたえた記憶を

潤色できない わたしの心は

時が経っても 秋の歌を断り通す

秋が好きだというのに

秋が誰よりも好きだというのに

可哀相な風みたいに 悲しくなるから

 

「ボンちゃん。ゴリラは秋の風に何を思ふ?」

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