『寂滅』
父の命日が近い。
なぜか『寂滅』という詩ができた。
『寂滅』
北風吹く夕暮れの墓地は
枯れ葉舞う寒さの楽園
口を閉した老いたベンチが
座る人もなく夕陽に染まる
瞼を擦り抜ける 記憶の幻影に
川の渡し守は 見向きもしない
吹き溜まる 枯れ葉の渦が
時の戻る 時計に見える
闇夜がもたらす 空虚の橋に
朧に写る 命の抜け殻
無言に列なし 耳を澄ませて
天地の混沌に続く 川の音を聞く
愛しい人よ ありがとう
愛しい人よ さようなら
愛しい人よ そばにいて
「ボンちゃん。ゴリラは死の世界を知っている?」
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